第十六番 星王山 能満寺

[宗派]天台宗

  聖観世音菩薩(御丈 三尺四寸) 

[所在]川崎市高津区千年354

     044-766-0009 

[最寄]JR南武線・東急東横線 武蔵小杉駅よりバス

由緒

当山は、天安年間(857―859)慈覚大師が野川の影向寺塔頭十二坊を再建したときは、その一坊として同地の「りょうけ」にあったが、天文年間(1532―1555)当地に移り、快賢法印により開かれたと伝えられている。中興開山は観空法印で正徳4年(1714)5月15日寂と記されている。現在の本堂は元文4年(1739)に建て替えられたものである。

 

聖観世音菩薩 市重要歴史記念物

昔は、当山の末寺、青林山聖観院長命寺の本尊であったが、明治29年(1896)の合併によって当寺に移されたものである。仏像は一木造で着衣部は見事な翻波式彫法で、平安時代初期の特色を示し、背部に次の再興銘が朱書きしてある。

【右】岩川村長命寺観音堂之本尊聖徳太子直作也 御長上迄三尺三寸五分

【左】正観音一躰再興并厨子共令修福奉寄進之者也 江戸願行寺歴旭計誉□□于時延宝二年(1674)五月十八日

 

虚空像菩薩立像 御丈三尺 重要歴史記念物

当山の本尊で、従来、秘仏として安置され住職の晋山式一日に限り開扉される。寄木造で頭部内に墨書きの造像銘、明徳元年(1390)五月十三日朝祐(花押)とある。

御詠歌

いわがわや こけむすみづに みをこらし

 こころをきよく くみてしるべし

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