第五番 雲騰山 妙覚寺

[宗派]臨済宗建長寺派

  十一面観世音菩薩(御丈 一寸八分) 

[所在]東京都稲城市矢野口2454

     042-377-8866 

[最寄]京王相模原線 京王よみうりランド駅

由緒

臨済宗の禅林で鎌倉の建長寺派に属す。

当寺の本尊は唐仏にして座像八寸の木彫の釈迦如来像である。往時は足利義晴公建立の仏刹であったが、一時荒廃していたのを、慶長年間(1596―1615)加藤太郎左衛門再興して菩提寺となす(万松院殿贈一品左相府曄山大禅定門の法名)。中興開山は揚雲法讃和尚(寿福寺6世)で永禄4年(1561)の中興である。

観音堂は本堂の右手の小高い丘にあって多摩川まで一望出来る。旧来の観音堂は寛政元年(1789)7月に灰燼となったが、寛政8年(1796)に大願主があって、鎌倉の仏師・光橋が新像の十一面観音座像をつくり、その中の胎内仏として伽羅の一寸八分の十一面観音座像を秘蔵安置し、堂を再建す。

江戸名所図会によれば長坂血鎗九郎陣中守護の為、鎧の中に籠め奉りしものにして弘法大師作と云う。

午年のみ御開帳の秘仏であるが、近年キャノン会長・御手洗氏や文学者・井上靖氏が参拝し称讃す。

  春寒し 観音の寺 梅の寺    井上靖

境内地の左手山上に約三千体の無縁仏をまつってある。

御詠歌

たづねくる 心はすぐに みようかくじ

 ほかに佛の 道はあらじな

地図