[宗派]臨済宗建長寺派
十一面観世音菩薩(御丈 七寸)
[所在]川崎市麻生区細山3-9-1
044-966-5450
[最寄]小田急線 百合ヶ丘駅
徒歩15分
小田急線 新百合ヶ丘駅より
バス 千代ヶ丘7丁目 下車
バス(よみうりランド線)細山交番前 下車
香林寺は大永5年(1525)南樹法泉和尚によって開山され、臨済宗建長寺派に属している。御本尊十一面観世音菩薩については木版で印刷された略縁起に宝亀7年(776)弘法大師作であることが記されている。この御尊像は因幡国高草郡清水長者が家の守り本尊として深く信心していたということである。
略縁起によると、文明元年(1469)霜月(11月)5日の夜、長者の家に盗賊が忍び入り、長者は盗賊と立合い、面に二ヶ所の疵を負った。しかし一心に観世音の御名を唱え念じ奉れば盗賊は一人残らず退散した。余りの有難さに観音様の御尊面を拝し奉ると、長者の負った疵はなくなり、御尊面に二ヶ所の疵があったとある。このことにより身代わり観音と称され、広く人々に信仰されるようになったが、当山は文政13年(1830)に火災に遭い、現在の御本尊は行基菩薩御作となっている。
昭和46年(1971)に本堂・客殿・庫裡が新築され、以後、鐘楼・聖徳太子殿・山門が完成。さらに客殿・庫裡が再築された。
五重塔は、細山・金程地区五大事業の完成を記念し、昭和62年(1987)建立、寄進され、すべて禅宗様建築で統一された塔で、わが国唯一のものである。内陣にはインド伝来の釈迦初転法輪像と天平文化再現と云われる脱乾漆造の四天王像が祀られている。
尚、香林寺宝物館を兼ねた細山郷土資料館が香林寺下にあり、当地の民具・農具等が展示されている。
たづねいる こころほそやま みちのべの
くさばにやどる つゆのみなれば